授業概要 |
物理における数学的手法としてのベクトルの概念(ベクトル演算の手法)を力学と電磁気
学との関連において説明する。ベクトルとスカラー量の微小変化を考え、これよりベクト
ルとスカラー量の(偏)微分や(多重)積分の概念を説明する。次に力学をベクトル演算
の手法で説明し、スカラー不変量としての位置エネルギーおよび電位を導く。これより
ベクトル演算子/ラプラス演算子を与える。ベクトル(演算子)/ラプラス(演算子)の
3次元座標変換での変換則および不変性につき説明する。またスカラー場、ベクトル場、
div,grad,rot...,ベクトルポテンシャル場等につき説明する。
ベクトル(演算子)/ラプラス(演算子)の3次元座標変換での不変性と曲線座標系での
表現につき述べる。
ロレーンツ変換を説明し、ロレーンツ変換に不変な4元ベクトル量として物理量の導出を
試み、これにより相対論的概念に慣れさせる。
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授業計画 |
1週 序論 自然法則と数学
2週 ベクトルおよびベクトル演算法
3週 ベクトル演算微小変化等の説明
第4週ーー第5週 ベクトル演算におけるベクトルとスカラー量の(偏)微分や(多
重)積分
の概念(多変数関数としてのベクトルとスカラー量の微積分)
第6週 ニユートン力学とベクトル演算法
第7週ーー第8週 保存力の概念、スカラー不変量(位置エネルギー、電位)
第9週ーー第10週 スカラー場、ベクトル場、ベクトル演算子/ラプラス演算子(div,
grad,rot.....)、ベクトルポテンヤル(場)
第10週ーー第11週 ベクトル(演算子)/ラプラス(演算子)の3次元座標変換
での不変性と曲線座標系での表現
第12週ーー第15週 ロレーンツ変換を説明し、ロレーンツ変換に不変な4元ベク
トル量として物理量の導出(特殊相対論的概念の説明)
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
Charles Kittel etc.、バークレイ物理学コース 力学(上)、丸善(株)、2800円
Edward M.Purxell 、 バークレイ物理学コース 力学(上)、丸善(株)、3200円
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参考書 |
小出昭一郎、物理数学One Point 7 力学と微積分、共立出版、1380円
鈴木 通、 物理数学One Point 8スカラー場、ベクトル場、共立出版、1380円
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授業の目標・ねらい |
学生諸氏にやさしい数学でも物理の概念を十分深く理解できることを
知らせる。自分の数学を駆使して問題に取り組める様になること。
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学生へのメッセージ等 |
まず物理の数学は難しいとの先入観を捨てて欲しい。授業内容は多い
と思うので、分からない点は質問して欲しい。
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