工学部

授業科目名:
数学 III
(英語名): Mathematics III
対象学年:
2年Aコース
開講学期:
後期
開講形態:
講義
担当教官: 高橋眞映(TAKAHASI)・内藤統広(NAITOU)
羽毛田穣祐(HAKETA)・佐藤邦夫(SATO)
単位数:
対象学科:工学部全学科 区分:専門基礎科目・必修 500030

授業概要

 目的:理工系学生が最初に学習する数学教科は、微積分学及び線形代数学であるが、 次に学習する教科の一つに複素解析学が挙げられる。その中心の一つである Cauchy の 積分定理を通して、複素積分の十分な計算力を養うことを目的とする。また我々の生活 感情が数学の定理を発見するという信念から講義を通して、個人の人間形成をはかる。
 内容:一年次に学習した実数を変数とする実数値関数の微積分に対して、複素数を変 数とする複素数値関数の微積分を講義する。先ずそのもととなる虚数単位 の存在意 義から始め、複素数を定義する。次に複素関数の微分と積分を定義し、実関数の場合の 微積分の公式が成り立つことを見る。次に正則関数は積分表示出来るという Cauchy の 積分公式を導き、それから正則関数の持つきれいな性質を見る。また同公式から留数定 理を導き、複素積分の計算に応用する。最後に複素積分を応用して、実関数の難解な定 積分の計算を行う。

授業計画

 以下の項目に沿って授業を行い、各項目平均2週を考えている。
1。複素数と複素平面
2。複素関数(連続性、可換性、一様収束、関数項級数、整級数、収束半径、初等関 数)
3。正則関数(複素微分、正則、Cauchy - Riemann の関係式、等角写像)
4。複素積分
5。Cauchy の積分定理(Cauchy の積分公式、Taylor の定理、一致の定理、最大値 の原理、
                   Liourville の定理)
6。Laurent 展開(除去可能な特異点、m 位の極、真性異点、Riemann の除去可能定 理、
  留数定理)
7。実関数の定積分への応用

成績評価の方法

筆記試験およびレポートの結果を総合し成績を決定する。

テキスト

鶴見和之他, 応用解析学, 昭晃堂, 2,730 円

参考書

鶴見和之他, 複素解析学, 昭晃堂, 2,678 円

履修にあたっての留意点

 数学は積み重ねの学問であるから、実数値関数の微積分が良く学習されていなけ ればならない。また、講義に臨んでは学問をするんだという心構えがなくてはなら ない。

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