授業概要 |
工学の基礎としても重要な振動と波動力学、およびミクロな世界の新しい物理学である量子力学を概説する。
最初に、物理学の中で最も基本的な現象の一つである、単振動や減衰振動等の振動現象について、方程式とその解き方を解説する。
次に、振動が時間と共に伝搬する弾性波や電磁波等の波動について、数式的な表現方法や扱い方を説明した後に、電子や光の伝搬が波動として表される事、および波動の干渉や回折等の基本的な性質を解説する。
最後に、電子や光の波動性と粒子性に関する黒体放射、光電効果やコンプトン効果等の物理現象の問題に始まり、ハイゼンベルグやシュレディンガーによる量子力学の確立過程を、出きるだけ分かりやすく解説する。
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授業計画 |
第1ー3週
単振動と連成振動
第4ー8週
波動の性質、波長、振動数、ホイヘンスの原理、ドップラー効果
波動方程式
水の重力波と表面波、電磁波
波の反射と定常波
波の干渉
波の回折(光、X線)
第9ー15週
光の波動性と粒子性
電子、原子核の発見
ボーアの理論
ド・ブローイ波、不確定性原理
シュレーディンガーの波動力学
スピン、パウリの原理
元素の周期律、X線の放射と吸収
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
松平 升 他、教養理工 物理学 I、培風館、1648円
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参考書 |
小出昭一郎、物理学(改訂版)、裳華房、1957円
阿部龍蔵・川村清、物理学、サイエンス社、1750円
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履修にあたっての留意点 |
諸現象の物理学的な意味を理解するように努めること。
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授業の目標・ねらい |
物理学の基礎を学ぶ事によって、工学部学生として必要な諸現象を正しく理解する力、新しいものを創造していく力を身に付ける。
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