授業概要 |
電子工学の分野に於いて重要な役割を演じている電子や光の振るまいを、量子論的な立場から理解する事を目的とする。
電子や光の波動性と粒子性に関する黒体放射の問題、光電効果やコンプトン効果等の物理現象の解説に始まり、電子や原子核の発見と、原子スペクトルに関するボーアの理論や不確定性原理を経て、ハイゼンベルグやシュレディンガーによる量子力学の確立過程を解説する。
更に、シュレディンガーの波動方程式に基づいて、水素原子模型や元素の周期律、井戸型ポテンシャルとポテンシャル障壁に関する金属からの電子の放出やトンネル効果、およびスピン等について簡潔に解説する。
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授業計画 |
第1ー5週
空洞放射:レイリージーンズの放射公式とプランクの放射公式
光の波動性と粒子性:光電効果とコンプトン散乱
電子・原子核の発見:クルックス、トムソン、ミリカン、ラザフォードの実験
原子スペクトルとボーアの理論、ゾンマーフェルトの量子条件
第6ー10週
物質の波動性:ド・ブローイ波
不確定性原理
シュレーディンガーの波動力学
一次元の箱における定常状態
第11ー15週
ポテンシャル障壁
スピンとパウリの原理
元素の周期律
X線の放射と吸収
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
松平升 他、 教養理工 物理学 II、 培風館、 1751円
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参考書 |
小出昭一郎、 物理学(改訂版)、 裳華房、 1957円
阿部龍蔵・川村清、 物理学、 サイエンス社、 1750円
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履修にあたっての留意点 |
諸現象の物理的な意味を理解するように努めること。
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授業の目標・ねらい |
物理学の基礎を学ぶことによって、工学部学生として必要な諸現象を正しく理解する力、新しいものを創造する力を身に付ける。
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