授業概要 |
熱力学の復習と、統計理論による種々の集合に対する分布則や分配関数の導入、およびそれ等を用いて物性論の基礎となる2、3の問題を解説する。
最初に、熱力学の第1、第2、第3法則、熱力学関数の色々な関係式、カルノーサイクルやオットーサイクルの熱効率等の基本的な事柄について解説する。
次に、小正準集合、正準集合、大正準集合における分布則や分配関数を求め、熱力学関数の統計力学的な意味について解説する。更に、非局所的体系の量子統計として、Fermi-Dirac粒子や Bose-Einstein粒子の分布関数を求める。
最後に、それ等の応用として気体論、固体の比熱に関するアインシュタインやデバイの理論、さらに協力現象の統計力学として常磁性や強磁性の理論について易しく解説する。
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授業計画 |
第1ー6週
熱力学第1法則
熱力学第2法則
理想気体の状態方程式、比熱、比熱比
密閉系、開放系の仕事
等温、等圧、等容、断熱変化における熱力学諸量の関係
いろいろなサイクルの熱効率
自由エネルギーU,F,Gと熱力学諸量との関係、熱力学第3法則
第7ー10週
小正準集合の統計力学
正準集合の統計力学
大正準集合の統計力学
ボルツマンの関係式
第11ー15週
局所量子体系の統計力学
非局所量子体系の量子力学
固体の比熱
古典論、アインシュタインの理論
デバイの理論
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
原島 鮮、 熱力学・統計力学(改訂版)、培風館、2200円
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参考書 |
キッテル(山下・福地、共訳)、熱物理学 第2版、丸善、3914円
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履修にあたっての留意点 |
熱力学的現象の統計力学的な意味を理解するように努めること。
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授業の目標・ねらい |
物理学的な考察方法を学ぶことによって、工学部の学生として必要な諸現象を正しく理解する力、新しいものを創造する力を身に付ける。
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