工学部

授業科目名:
高分子科学
(英語名): Polymer Science
対象学年:
1年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 物質工学科 高分子系教官
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門基礎科目・選択必修 510000

授業概要

 合成,物性,構造を含めた高分子科学のトピックスを15週に渡って平易に解読し、 高分子科学の学問体系への円滑なる導入を図る。

授業計画

第1週 はじめに (岡本、須藤)
第2--3週 高分子の世界の入り口 (鈴木)
1.いつから高分子:自然界にある高分子はいつから、どんな形で発生し、人間はどのように関わり、それを理解してきたか?   2.どんな高分子:私たちになじみの深い人工の高分子は誰によって作られ、どのように発展してきたか?
第4週 生命と高分子 (武石)
生命現象には遺伝子やタンパク質のような高分子が不可欠なことを、さらに,人工臓器など 医療にも広く高分子が用いられていることを述べる。
第5週 機能性高分子 (武石)
光反応性など特殊な機能を持つ高分子がエレクトロニクスやバイオテクノロジーなど先端技術 にどのように応用されているかを解説する。
第6--7週 高分子の一次構造、二次構造と分子配向 (岡本)
比較的簡単なモノマーでも、それが高分子鎖を形成する際,その一次構造に種々のものが存在し、 その一つ一つが空間的に異なった分子鎖構造をとり、高分子材料の性質も全く異なってしまう ことがある。これらのことを実際の材料を用いて各自実感してもらう。
第8--9週 生体模倣高分子液晶(須藤)
先ず、生態系に多く見られる高分子液晶の構造とその機能を紹介する。次いで、植物や動物の成分 を出発原料とする高分子の液晶構造の発現と調製条件との関係、さらに、その液晶の応用展開につ いて述べる。
第10--11週 電気.電子.光機能性高分子(大東)
近年、高分子は絶縁.誘電材料としてだけでなく、電気.電子.光学的性質を利用した情報変換、 エネルギー変換機能材料として実用化されている。電子導電性、強誘電性、圧電性、光非線形性 などの現象を易しく解説しながら、これらの研究開発の現状を紹介する。
第12--13週 高分子の力学的性質(成澤)
軽くて強い高分子の特徴、力と変形の対応時間関係からでる大きな衝撃や音を吸収する能力など、金 属やセラミックと比較した高分子の力学的性質の特徴とそれを工業的に応用した例について説明する。
第14--15週 まとめ(岡本、須藤)

成績評価の方法

筆記試験およびレポートの結果を総合し成績を決定する。

テキスト

なし

参考書

田所宏行編、ポリマーラウンジ、化学同人、1648円
竹本喜一、夢の新素材.機能性高分子、講談社

授業の目標・ねらい

高分子の面白さと深さを実感してほしい。

学生へのメッセージ等

教室では五感を働かして話に興味を持つようにしてほしい。

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