工学部

授業科目名:
高分子物理化学概論
(英語名): Introduction to Polymer Physical Chemistry
対象学年:
2年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 多賀 透(TAGA Tooru)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510045

授業概要

 高分子は「分子量の大きい分子」と定義されている。従って、その分子量の決定は 高分子を高分子であると認識する上で必須である。そこで、本講義の目的を分子量決 定法の原理及びその実施法の紹介とした。分子量決定を溶液状態で行う関係上、講義 の前半で、高分子溶液の熱力学の初歩を講述する。次に、決定法を、分子量算出のた めの計算式中分子量以外の量が全て別の実験によって独立に決定される絶対的方法と 、対象とする試料に関し予備的知見が是非必要な相対的方法とに分類して解説する。 また、高分子の分子量には分布が通常存在するため、決定される分子量は平均値であ ること、並びに平均の種類が決定法に依存することを述べる。さらに、分子量分布に ついても触れる。

授業計画

第1週:入門化学熱力学(1--7週 高分子溶液の熱力学)
第2週:熱力学第二法則、化学ポテンシャル
第3週:低分子溶液の熱力学
第4週:高分子溶液の混合エントロピー
第5週:高分子溶液の化学ポテンシャル
第6週:高分子溶液の相平衡
第7週:溶液中の高分子鎖の拡がり
第8週:エブリヲメトリー(8--15週 分子量決定法)
第9週:膜浸透圧法
第10週:光散乱法
第11週:超遠心法
第12週:蒸気圧浸透圧法
第13週:粘度法
第14週:Gel Permeation Chromatography
第15週:分別沈殿、分別溶解 

成績評価の方法

筆記試験

テキスト

使用ぜず

参考書

伊勢、今西、川端、砂本、東村、山川、山本、新高分子化学序論、化学同人、3296円 (1995)
高分子学会編、高分子科学の基礎 第二版、東京化学同人、4200円(1994)

履修にあたっての留意点

 講義の理解には化学熱力学に関する知識が必須であるが、この点についての詳細な 講義は行わない。化学熱力学は既習のこととして講義を行う。

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