授業概要 |
エンジニアリング・プラスチック、複合材料のような高性能は高分子材料は宇宙、
通信などの先端産業を支える基礎材料であることはもちろんであるが、医療など我々
の生活に密着した材料でもある。高分子材料はそのような種々の用途に適するように
それを構成する分子の種類、また分子が集合した構造が制御されている。我々が必要
とする目的に適した高分子材料の構造を設計する技術を体得するためには、その構造
と物性の関係を学ぶことが必要である。力学的な特性は高分子材料の持つ種々の特性
の中でも最も重要な性質である。高分子力学IIでは弾性、塑性、粘弾性的な力学特性
を理解するために必要な基礎であるテンソル解析、ひずみの解析、保存則、弾性体、
塑性体、粘弾性体の構成方程式について講義する。
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授業計画 |
第1〜2週 テンソル解析 (ベクトル、テンソル)
第3〜4週 ひずみの解析(運動とその表示、ひずみテンソル,運動とその表示ひずみテン
ソル)
第5〜6週 保存則(応力テンソル、質量、運動量、角運動量、エネルギーの保存則)
第7〜9週 弾性体の構成式(Hookeの法則、弾性定数の推定、弾性定数間の関係、高分子
の弾性的性質)
第10〜12週 弾塑性体の構成方程式(単軸引張の応力ーひずみ関係と降伏、初期降伏曲面
と降伏関数、弾塑性体の構成方程式、高分子の塑性変形)
第13〜15週 粘弾性体の構成方程式(高分子材料の変形の速度依存性、Maxwell模型とVoigt
模型、複素弾性係数と複素コンプライアンス、クリープと応力緩和、動力学
的性質)
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成績評価の方法 |
筆記試験およびレポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
L.E.Nielsena著、小野木 重冶訳、高分子と複合材料の力学的性質、化学同人4,73
8円 (1992)
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参考書 |
P.Chadwick著、後藤 学訳、連続体力学、ブレイン図書、2800円
小野木 重冶著、化学者のためのレオロジー、化学同人、3600円
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履修にあたっての留意点 |
すでに開講されている数学、材料数学は本講義の数学的表現を理解するのに有用で
あるので聴講すること。
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