工学部

授業科目名:
高分子電磁気学
(英語名): Electrooptical Properties of Polymer Materials
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 大東 弘二(OHIGASHI Hiroji)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510080

授業概要

  目的: 電磁気学は物質の構造と物性を理解するための基礎分野の一つである.高分子 材料も最年絶縁材料・誘電材料としてだけでなく,電子材料,光学材料としても重要 となっている.本講義では電磁気学の基礎を学習しながら,高分子の電気物性(高分 子の電気・電子・光学的性質)の知識と理解を深めることを目的とする.

内容: まず真空中における静電場,交流電磁場に対するいくつかの法則を解説す る.ついで,高分子が誘電体として静電場および交番電場中でどのように振る舞うか を具体的な例を挙げながら解説する.また誘電率の大きさとその周波数・温度依存性 が高分子の構造の研究や工学的材料設計に重要なことを述べる.さらに,強誘電性・ 圧電性高分子,液晶,導電性高分子など,高分子の電気・光学的性質の基礎を電磁気 学の立場から解説する.

授業計画

授業計画  ( )は授業週回数を示す
1. 電気材料としての高分子と電磁気学 (1)
2. 静電場 と交流電磁場 -- クーロン場,電場,電気ポテンシャル,マクスウ ェルの方程式 (3)
3. 静電場における高分子の分極 -- 物質の分極,双極子の電場配向,物質中の 内部電場 (3)
4. 変化する電場中の高分子の誘電応答 -- 誘電緩和,複素誘電率と誘電損失 (3)
5. 高分子の圧電性と強誘電性 (2)
6. 磁場と高分子 -- 環電流と磁化率,高分子のNMRとESR,液晶の磁場配向 (1)
7. 光と高分子 -- 屈折率と誘電率,複屈折,偏光顕微鏡,光学繊維,非線形性 と高調波,液晶と光 (2)
8. 高分子中の電子現象 -- 絶縁破壊現象,光による伝導電子の生成,共役2重 結合鎖の電子構造 (1)

成績評価の方法

筆記試験および演習、レポート等の結果を総合し成績を決定する。

テキスト

 

参考書


ファインマン物理学III (電磁気学)    ファインマン他 岩波書店
ファインマン物理学IV (電磁波と物性)  ファインマン他 岩波書店
高分子の電気物性   和田八三久 裳華房
高分子の電気的性質 A.R. ブライス 培風館

学生へのメッセージ等

専門基礎科目 物理学 II を履修していることが望ましい.

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