工学部

授業科目名:
高分子量子物理学
(英語名): Polymer Quantum Physics
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
後期
開講形態:
講義
担当教官: 折原勝男 (ORIHARA Katsuo)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510125

授業概要

 専門基礎の物理学IIで学んだ量子論の基礎を、高分子を中心とした機能材料の物理 と化学に応用する。はじめに物理学IIを復習し、ついで、量子物理化学と量子電子工 学を使って、高分子材料などの有機材料、および金属や半導体などの無機材料の電子 状態を理解する。これによって機能材料の計測を量子論的に解釈できるようにすると ともに、将来分子や素子を設計する際に量子論を活用できる力を養う。実例を多数引 用して理解を助ける。   

授業計画

 第1週    量子力学の基礎の復習
 第2週    原子の量子論
        水素原子・多電子原子の電子軌道、電子スピン、排他原理、原子 スペクトル
 第3-5週    分子軌道論
        水素分子イオン、パイ電子共役系の分子軌道論
 第6-7週   高分子の光電子特性
        光吸収スペクトルと蛍光・リン光スペクトル、電子分光法
 第8-10週   高分子における分子間力の量子論的解釈
 第11-13週  電磁界の量子論
         電磁界の量子化、エネルギーの固有状態、電磁界のゆらぎ、コ ヒーレント状態
 第14-15週  導電性高分子の量子論的理解
        導電性高分子の電子状態、一次元系の不安定性 、パイエルス転移、ソリトン

成績評価の方法

 期末筆記試験および、レポートと小テストの結果を総合して成績を決定する。

テキスト

 折原勝男、機能材料の量子論(非売品)(1995)

参考書

 大野公一著、量子物理化学、東大出版会、 3,800円
 栖原敏明著、量子電子工学、オーム社、3,500円 

履修にあたっての留意点

 物理学II、物理化学、高分子物理学概論、および高分子化学概論をよく習得してお くこと。

学生へのメッセージ等

 演習をかねたレポート(宿題)の提出をたびたび要求する。

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