授業概要 |
有機化学の教科書の構成は二つに大別される。
1)有機化合物を分子骨格並びに官能基による分類で講義を進め、個別的知識の集積
化を計る各論的構成、 2)この個別的知識を整理し、反応論の立場から体系化し、
反応をどのように考えるのか、どのように反応するかに重点を置く構成。本講義では
後者の見地から講義を進めて行き、反応論の前半を扱う。後半は高分子有機化学 IV
で講義する。具体的にはまず、化学結合論、酸ー塩基の基礎的知識の修得を行い、次
に反応論の中心になる求核置換、脱璃、求核付加などの各種反応様式を解説する。2
年次の高分子有機化学I,IIにおける各論的立場からの講義とこの反応論的講義は織物
の縦糸横糸の関係であり、これらの講義を通じて、有機化学の全体像が明確になり、
また反応論の理解が促進される。
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授業計画 |
第1週 化学結合:共有結合
第2週 化学結合:混成軌道
第3週 酸ー塩基:定義と解離平衡
第4週 酸解離に及ぼす置換基効果
第5週 求核置換反応:SN2反応
第6週 求核置換反応:SN1反応
第7週 求核置換反応:溶媒効果
第8週 求核置換反応:求核性と塩基性, 脱璃基
第9週 脱璃反応:E2反応
第10週 脱璃反応:E2反応の配向性
第11週 脱璃反応:E1反応
第12週 求核付加反応:カルボニル基の特徴
第13週 求核付加反応:各種求核種の付加(1)
第14週 求核付加反応:各種求核種の付加(2)
第15週 総括
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成績評価の方法 |
筆記試験
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テキスト |
橋本静信 村上幸人 加納航治 基礎有機反応論 三共出版 3300円(1995
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参考書 |
P.Sykes 久保田尚志訳 有機反応機構 東京化学同人 4500円 (1995)
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履修にあたっての留意点 |
高分子有機化学 I, IIの単位を修得した後、受講した方が望ましい。
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