授業概要 |
高分子はそれ自体、材料としての特性を備えているだけでなく、その化学反応性
を利用
して、作り変えたり、新しい性質や機能を付与したりできる点に特徴がある。また
、高分
子を実際に使用する時には、光や空気(酸素)にさらされていたり、熱や薬品など
の影響
によって化学的に変化し、性質が変わってくる。本講義では、高分子反応を高分子
と低分
子との反応、高分子自身の反応、高分子と高分子の反応、高分子存在下での低分子
の反応
に分類して、それぞれの反応形式での高分子反応の特徴を理解すること、さらに、
これら
の反応を通して、高分子の改質や修飾、変質の防止、機能性高分子や高分子触媒な
どへの
展開について把握することを目的としている
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授業計画 |
第1週 緒論
第2週 高分子と低分子の反応 --- ポリオレフィンの反応
第3週 高分子と低分子の反応 --- ジエン系ポリマーの反応
第4週 高分子と低分子の反応 --- ポリ塩化ビニル、ポリスチレンの反応
第5週 高分子と低分子の反応 --- セルロースの反応
第6週 高分子の分子内反応
第7週 高分子間反応 --- 共有結合による橋架け反応
第8週 高分子間反応 --- 二次結合による橋架け反応
第9週 高分子の分解反応
第10週 高分子反応の特徴 --- 分子間相互作用と高分子反応
第11週 高分子反応の特徴 --- 高分子の触媒作用
第12週 高分子反応の特徴 --- 高分子反応における特異性
第13週 化学反応性を利用する機能性高分子
第14週 特異な物性を有する機能性高分子
第15週 まとめ
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習の結果を総合し、成績を決定する。
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テキスト |
長井勝利、高分子合成学 II …高分子反応、機能性高分子(自作プリント)
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参考書 |
高分子学会編、高分子の合成と反応(2)、共立出版、12360円(1991)
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履修にあたっての留意点 |
有機化学の基礎知識を十分に身につけておくこと
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授業の目標・ねらい |
高分子への有機化学反応の適用性、高分子での反応の特異性を知ること
高分子の化学反応(修飾)によって付与できる特性、機能を理解すること
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学生へのメッセージ等 |
高分子の分子構造、反応を常に化学式で書くように心がけ、高分子の特性や機能が
どのよ
うな化学構造と関連しているかを知ろう
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