工学部

授業科目名:
有機工業化学II
(英語名): Industrial Organic Chemistry II
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 多賀谷 英幸 (TAGAYA Hideyuki)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510220

授業概要

 化学工業は物質変換プロセスがその主要部分であり、有機および無機資源から有用な製 品を誘導する工業である。有機資源としては、石油・石炭などの化石資源のほか再生産可 能な資源であるバイオマス資源があり、これら有機資源は原料のみならずエネルギ−源と しても重要である。また二酸化炭素は、有機資源誘導の出発物質に位置付けられる炭素資 源である。近年、化石資源よりも高度な物質利用が期待できるとして、バイオマス資源の 有効利用が見直されている。本講義は、生物体により太陽エネルギ−、水および二酸化炭 素から生産されるバイオマスの種類、構造およびその利用について体系的に講義を行なう 。特に炭素資源とエネルギ−の二つの観点からバイオマスを捉え、化学工業史や地球規模 の環境問題との関わりを交えながらバイオマス資源と二酸化炭素の工業的利用などについ て概説する。

授業計画

 下記の計画に従い、それぞれの項目について1から2回の講義を行う。
 1 有機化学工業について
    化学工業の分類
    日本の物質収支
 2 バイオマス資源について
    バイオマス資源の利用
 3 油脂化学工業について
    採油・精製・脂肪酸工業
    精油・香料工業
 4 木材化学工業
    パルプ・紙工業
    セルロ−スの化学的利用
   5 海洋資源工業
    キチンの工業的利用
 6 発酵工業
    食品工業について
   7 二酸化炭素利用化学
    回収法、化学的固定
 8 炭素資源のリサイクル
    未利用炭素資源の有効利用
 

成績評価の方法

 予習およびまとめのレポートの結果を総合し成績を決定する。

テキスト

 なし

参考書

 吉田高年ほか、有機工業化学概論、培風館、2,600円
 阿河利男ほか、有機工業化学、朝倉書店、4,017円

履修にあたっての留意点

 講義は、授業時間内における主題の理解に力点をおき、重要語意についてはレポ−トに よる予習を課す。また必要に応じ、授業中に小テストを行う。

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