工学部

授業科目名:
高分子化学実験
(英語名): Experiments in Polymer Chemistry
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
通年
開講形態:
実験
担当教官: 物質工学科 高分子化学教官
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・必修(高分子化学専修コース) 510225

授業概要

[目的]:有機化学実験・物理化学実験・高分子化学実験の考え方や基本的実験操作技術 を習得するとともに、講義を通して学んだ知識を実際の体験により確認し、その理解を 深めることを目的とする。
[内容]:はじめに分析化学実験として、中和滴定・キレート滴定・酸化還元滴定を 行い 滴定操作、原理を学ぶ。有機化学実験は、ピラゾリンの合成を通し有機化学操作を習得 する。物理化学実験では、液体の屈折率や相互溶解度を調べ、液体の基礎特性を理解す る。高分子合成では、乳化重合・スラリー重合・パール重合・交互共重合・重縮合・開 環重合の各反応を行い、得られたポリマーの分子量測定などの特性評価を行う一方、コ ンピューターを用いたモノマーの軌道計算から、その性質をみる。また、高分子反応と して、得られたポリマーのホルマール化や、感光性樹脂の感光反応を検討する。高分子 の構造と物性では、X線回折を応用した高分子構造の評価、結晶化速度測定から高分子 結晶化のメカニズムの考察、示差走査熱量計による高分子材料の熱的特性、相転移現象 の評価、回転粘度計による高分子溶液の静的レオロジー特性の理解、さらには、高分子 の広がり状態、および高分子融液や固体の粘弾性の測定を行う。

授業計画

 4月〜12月末まで、週2回・1回3時間の実験を行う。実験テーマは、以下に示す 通り。なお、実施の際には前もってガイダンスを行い、学生を小グループにわける。
[分析化学実験]中和滴定・キレート滴定・ヨウ素滴定
[物理化学実験]液体の屈折率・液体の相互溶解度
[有機化学実験]安息香酸のメチルエステル化・安息香酸メチルの蒸留精製・トリフェ ニルピラゾリンの合成
[高分子合成及び反応]酢酸ビニルのラジカル重合とそのケン化反応・PVAの不均一 ホルマール化反応及びビニロンスポンジの合成・メタクリル酸メチルのバルク重合・ア クリロニトリルのスラリー重合・スチレンのパール重合・スチレンと無水マレイン酸の 交互共重合と分子量測定・架橋ポリアクリル酸ナトリウムの合成・ポリアミドの合成・ ポリイミドの合成・感光性樹脂の合成
[高分子の構造と物性]鎖状高分子モデルの統計的性質・回転粘度計による溶液粘度の 測定・高分子融液の粘弾性・高分子固体の動的粘弾性・高分子X線回折・高分子の熱解 析・結晶化速度定数

成績評価の方法

 上記の実験をすべて行い、かつレポートを提出した者に対して、通年で6単位を認定 する。

テキスト

高分子化学教官、高分子化学実験、自作テキスト (1996)

参考書

畑一夫・渡辺健一、新版 基礎有機化学実験 その操作と心得、丸善、1545円 (1968)

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