工学部

授業科目名:
無機化学II
(英語名): Inorganic Chemistry II
対象学年:
2年Aコース
開講学期:
後期
開講形態:
講義
担当教官: 志田 惇一 (SHIDA Jun-ichi)
尾形 健明 (OGATA Tateaki)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510510

授業概要

 本講義では,金属錯体を取り扱う.錯体という言葉からは,複雑でなじみにくい 相手であるという印象を受けるかもしれない.しかし,「錯」という字の漢字のも との意味は「象眼」であり,違った材料を組み合わせて新しい美しさを求めるのが 象眼の技術である.錯体は陽イオンと陰イオンや有機化合物が組合わさってできる 化合物であるため,英語でコンプレックス(complex) という名称が与えられたが, 日本の化学者は「象眼したような塩類である」とみなして「錯塩」(現在では錯体) と命名した.
 錯体の理論は,金属化合物の性質を理解するためには必要不可欠であり,学問的 な意味で自然界の理解を深めただけでなく,合成化学工業に大きな変化をもたらした. これは錯体触媒などの新しい機能をもつ多くの化合物が発見され,錯体化学で扱わ れる領域が著しく拡大したためである.

授業計画

 第1週 錯体とは何か
 第2週 ウェルナーの配位説--中心金属・配位数
 第3週 錯体の命名法--名称と化学式
 第4週 錯体の立体化学--幾何異性体,光学異性体
 第5--6週 錯体の磁性--高スピンと低スピン
 第7--8週 錯体の色--d-d遷移吸収と電荷移動吸収
 第9--10週 錯形成と安定度--配位子置換活性と置換不活性
 第11--12週 錯体の反応--配位子置換反応と電子移動反応
 第13--14週 非ウェルナー型錯体
 第15週 まとめ

成績評価の方法

 筆記試験

テキスト

 木田 茂夫,無機化学(改訂版),裳華房,2472 円

参考書

 斎藤 一夫,無機化合物,裳華房

履修にあたっての留意点

 材料物理専修コースの学生は選択.無機化学Iを受講していることが望ましい.

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