工学部

授業科目名:
物理化学III
(英語名): Physical Chemistry III
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 勝山 哲雄(KATSUYAMA Tetsuo)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510540

授業概要

 化学における理論は、物質の構造、物性および反応を原子、分子のレベルから理解 し記述しようとするもので、量子力学がその基盤の一つになっている。
 物理化学IIIでは、量子力学を簡単に整理し、次いで、原子の構造、分子の結合と 構造を考える。この部分は、量子化学の基礎で、分子を理するためには欠かすことの できない所である。
 量子化学は、難しいと言われることがある。しかし、数式等に深入りせず、その意 味する所を理解しようとすると、ミクロの世界(電子、原子、分子の世界)のことが よくわかるようになる。敬遠せずに、考え方に慣れ親しんでほしい。
 後半では、量子化学と関連させながら光化学を扱う。この部分は、光エネルギーを 物質に吸収させ、これを役に立つ形に変換して利用する、ことを念頭に置いた部分で ある。

授業計画

 概ね次のような順番で15週行う。
 (量子化学の基礎)
  1 物質の波動性
  2 シュレーディンガーの波動方程式
  3 水素原子(類似)の電子波動関数
  4 原子内の電子配置と周期律
  5 電子軌道の混成
  6 分子軌道法
  7 フロンティァ軌道と結合
  8 結合の極性と双極子モーメント
  9 分子構造と電子スペクル
    (光化学)
 10 光吸収と励起状態
 11 蛍光、燐光、消光
 12 スピン多重度と三重項状態
 13 励起体の生成と他分子へのエネルギー移動
 14 光化学反応
 15 光エネルギーの化学エネルギーへの変換

成績評価の方法

 筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。

テキスト

 下記参考書を用いるが、購入は義務づけない。

参考書

 坪村宏、 新物理化学(上)、 化学同人、 4200円(1995)
 坪村宏、 新物理化学(下)、 化学同人、 4500円(1995)

履修にあたっての留意点

 大事な所は、ノートをとって十分に復習してほしい。

その他

 物理化学I、物理化学IIで用いたテキスト”現代物理化学序説”は捨てないでおく こと。

Post Script 版
シラバスのページへ