授業概要 |
有機合成化学は有機化学のあらゆる反応を含み工業に関連する触媒反応も多く,
新しい反応も次々と見出されて進歩が著しい分野である.多様な反応を系統的に
理解するために反応の方法論ごとに反応の中間体,反応の分類とその特徴,基本
的なメカニズム等について講義する.基本となる方法論としては塩基,酸,熱,
光があり,欲しい化合物を効率よく最適な方法で合成することが出来るようになる
ことが有機合成を学ぶ目的である.そのためには,多くの反応を系統的に整理して
理解してゆくことが大切である. 第1章 塩基を用いる脂肪族合成 カルボアニ
オン反応を中心にその特徴,縮合,付加,脱離,転位反応について講義する. 第2
章 酸を用いる脂肪族合成 カルボニウムイオン反応を中心に付加,縮合,転位,
脱離,置換反応について講義する. 第3章 熱を用いる脂肪族合成 ラジカル反応と
ペリ環状反応を中心に講義する. 第4章 光を用いる脂肪族合成 有機光化学反応を
中心に励起状態の化学反応について講義する.
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授業計画 |
第1週 有機合成化学の概念
第2--5週 第1章 塩基を用いる脂肪族合成
第6--9週 第2章 酸を用いる脂肪族合成
第10--12週 第3章 熱を用いる脂肪族合成
第13--15週 第4章 光を用いる脂肪族合成
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
橋本春吉・宮野壮太郎,有機合成反応・脂肪族合成-その方法論,学会出版センター,
3200円
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参考書 |
橋本春吉・宮野壮太郎,[続]有機合成反応・芳香族合成-その方法論,学会出版センター
,3600円
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履修にあたっての留意点 |
基礎有機化学を理解したうえで受講することが望ましい.時間の関係で脂肪族合成のみを
講義するが,
大学院進学希望者は参考書の芳香族合成についても学習することを希望する.
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