工学部

授業科目名:
生物無機化学
(英語名): Bioinorganic Chemistry
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 尾形 健明 (OGATA Tateaki)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510625

授業概要

 生物無機化学は生物化学と無機化学が融合した学際的な分野であり,まだ歴史が 浅く学問としての体系化も十分とはいえない.言葉の上からは,「生物に関連した 無機化学の研究」と定義される.そこでは金属イオンが関与した生体物質,物質循 環,生命現象,生理作用などが研究対象になる.この分野で扱われる金属イオンは, 生体物質(一般には有機化合物)が結合し,「金属錯体」を形成する.無機化学の 一分野として,錯体化学は古くから研究され,現在では体系化された学問である. 従って,金属イオンが関与した生体物質の研究には,錯体化学の理論や研究手段を 応用することができる.
 本講義では,生命維持に必須な様々な元素のうち,電子移動,酵素の活性化,酸 素担体としての重要な役割を演じている金属元素の化合物について,実在の系や モデル系の構造,反応性などを中心に講義する.

授業計画

 第1週 生物無機化学の一般的背景
 第2週 生体構成元素の起源
 第3週 微量元素の起源
 第4--5週 分子レベルにおける原理
 第6--7週 物理的分析手法
 第8--9週 アルカリ金属とアルカリ土類金属
 第10--12週 遷移元素(鉄と銅)
 第13--14週 活性酸素
 第15週 まとめ

成績評価の方法

 筆記試験

テキスト

 プリントなどを用意する.

参考書

 R.W.Hay, (太田,竹内,室伏,訳),生体無機化学,オーム社  松島,高島,生命の無機化学,広川書店

履修にあたっての留意点

 学習の基礎として,無機化学IおよびIIを履修していることが望ましい.

Post Script 版
シラバスのページへ