授業概要 |
目的:環境汚染や環境破壊の主体は化学物質とみなせる。これらの物質が環境中をどのよ
うに移動・循環するのか、また、人への安全性や生態系への影響について化学の目をとお
して理解し、自然環境にやさしい化学生産をめざす視点から講義する。
内容:人の生産活動が地球全体にわたる物質循環のバランスをくずし、環境汚染が点から
面へ、そして地球全体へと拡大している。また、産業構造の変革と発展は、次から次へと
種々の化学物質を生み出し、その種類と使用量は増加の一途を辿っている。それらの化学
物質は人類にとって化学技術の進歩と生活の向上に大きく寄与しているが、反面、有害で
危険なものも少なくない。したがって、化学製品やそれらを生産するための化学物質の性
質と取り扱い方法を述べる。 化学を学ぶものは、環境問題を自分自身のものとして受
け止めなければならない最も近い位置にあると思われる。このような状況に対処するため
に、化学はどうあるべきか、生産活動を低下させることなく自然環境を守り、人への安全
性を保つためにはどのような方策があるかなどについて解説する。 また、講義のなか
で演習問題も解きながら理解を深めていく。
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授業計画 |
第1週 環境化学でなにを学ぶか
第2週 自然と人間とのかかわり
第3週 環境をはかる
第4週 物質の動き
第5週 化学物質による汚染
第6週 化学物質と安全性
第7週 化学物質の法的規制と自主管理
第8週 環境にやさしい化学をめざして
第9週 自然環境といかに調和させるか
一つの項目を1〜2回で講義する。
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
北野 大・及川紀久雄、人間・環境・地球、共立出版、2,575 円
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参考書 |
山形大学地球環境研究会、ブルーバックス 検証・ヒトの招いた地球の危機、
講談社、780 円
保田 茂次郎、生活環境概説、三共出版、2,060 円
北野 康、化学の目で見る地球の環境、裳華房、1,854 円
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履修にあたっての留意点 |
物質の定量的な取り扱いにも触れるので、無機分析化学あるいは有機分析化学を履修して
おくことが望ましい。
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