授業概要 |
化学工学が対象とする物質は、素粒子や原子および分子の集合体である単体や 化
合物そのものであり、これらの物質が異相間をその濃度差(正しくは活量差)に基づ
いて移動する現象が物質移動です。この物質移動は、主に流体の境膜(流れに置かれ
た物体の表面には乱流境界層が生ずるが、この境界層内部で最も表面に近い極めて薄
い層流の部分)を通す拡散現象なのです。本講義の目的は、気体-液 体間、気体-固
体間、液体-液体間、液体- 固体間などの異相間の物質移動について、吸収、蒸留、
乾燥、固体からの抽出、吸着、液液抽出などの具体的な例を挙げ、その現象と操作理
論を理解することです。
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授業計画 |
第1--3週 蒸留
気液平衡、単蒸留、フラッシュ蒸留、平衡分縮、精留装置、連続
蒸留塔設計
第4--6週 ガス吸収
気体の溶解度、吸収速度、吸収装置、充填塔の設計
第7--9週 調湿・乾燥
湿り空気の物性、湿度図表、空気調湿、気液間の熱・物質同時移動
乾燥機構と乾燥特性、定率乾燥速度、減率乾燥速度、乾燥装置
第10--12週 吸着・液液および固液抽出
吸着と吸着剤、吸着平衡、吸着操作と装置設計、吸着装置、イオ
ン交換
液液平衡、抽出速度、抽出剤の選定、抽出装置、固液抽出
第13--15週 膜分離
分離の機構、膜分離装置、膜分離装置の操作と設計
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
八田四郎次・前田四郎、化学工学概論、共立出版、2,987円
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参考書 |
水科篤郎・桐栄良三、 化学工学概論、産業図書、2,900円
水科篤郎・荻野文丸、輸送現象、産業図書、4,000円
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履修にあたっての留意点 |
予習・復習を忘れずに。
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授業の目標・ねらい |
気体-液 体間、気体-固体間、液体-液体間、液体- 固体間などの異相間の物質移動
について、吸収、
蒸留、乾燥、固体からの抽出、吸着、液液抽出などの具体的な例を挙げ、その現象と
操作理論を理解す
ることです。
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学生へのメッセージ等 |
身の回りの現象の中にもこの科目の内容を理解するのに役立つものもあります。楽し
く学んで下さい。
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