工学部

授業科目名:
反応速度論
(英語名): Chenical Reaction Kinetics
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 佐藤 志美雄 (SATO Shimio)
単位数:
対象学科:物質工学科 区分:専門科目・選択必修 510690

授業概要

 反応工学は、目的とする化学あるいは生物化学反応を工業的に実現するために体 系化された工学である。反応工学は反応速度論と反応装置設計論からなる。反応速 度論では反応がどのような速さつまり反応速度で進行するか、またその速度がどの ような因子にどのような仕方で影響されるかを解析する。反応装置設計論では、反 応速度論で解析した結果を基にして、必要とされる反応器の大きさ、形状、あるい は反応器群の組み合わせを求める。本講義では前半の反応速度論を対象とし、次の 5章に渡って勉強する。

授業計画

 第1--2週  反応速度と速度式:一般的に、かつ量的に反応速度を論じるために、そ の定義を明確 にし、それが反応物濃度などの変数に対してどのような関数になるのかを学ぶ。

 第3 週   反応速度の温度依存:反応の速度が温度によって大きく変化することは よく経験する。 そこで反応速度の温度依存性について学ぶ。

 第4--6週  均一相単純反応の速度解析:実際に反応がどのような機構でかつどのよ うな速度で進行するかを検討することを速度解析という。原料も生成物も 均一に混じり合い、かつこれらの反応前後の量的な関係(量論関係が単一 の式(量論式)で表せる場合を均一相単純反応と呼ぶ。本章ではこのよう な反応についての速度解析法を学ぶ。

 第7--9週  均一相複合反応の速度解析:原料と生成物との量論関係が複数の量論式 で表せる場合を複合反応という。本章では均一複合反応の速度解析法を学ぶ。

 第10--15週 不均一相反応の速度解析:反応が気体と液体、液体と固体など均一に混 じり合わずに進行する場合を不均一相反応という。工業的に重要な反応の多くは効率的 に反応を進行させるため、多孔質体に酵素を担持した固定化酵素や、金属元素を担持し た固体触媒を用いている。このような反応は典型的な不均一反応であり、均一相反応と は異なった観点から速度を解析する必要があり、本章で学ぶ。

成績評価の方法

筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。

テキスト

橋本 健治、反応工学、培風館、2987円

参考書

久保田 宏、関沢 恒夫、反応工学概論、日刊工業新聞社、1500円

履修にあたっての留意点

物理化学I、IIを受講していることが望ましい。

授業の目標・ねらい

化学反応の量的、速度的な取り扱いができる基礎つくり *(14) 学生へのメッセージ等 できるだけ身に付くように、演習などに重点を置く。努力したものが報われる。

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