高分子は「分子量の大きい分子」と定義されている。従って、その分子量の決定は
高分子を高分子であると認識する上で必須である。そこで、本講義の目的を分子量決
定法の原理及びその実施法の紹介とした。分子量決定を溶液状態で行う関係上、講義
の前半で、高分子溶液の熱力学の初歩を講述する。次に、決定法を、分子量算出のた
めの計算式中分子量以外の量が全て別の実験によって独立に決定される絶対的方法と
、対象とする試料に関し予備的知見が是非必要な相対的方法とに分類して解説する。
また、高分子の分子量には分布が通常存在するため、決定される分子量は平均値であ
ること、並びに平均の種類が決定法に依存することを述べる。さらに、分子量分布に
ついても触れる。
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