授業概要 |
高分子の合成は低分子(モノマー)の高分子化…重合…と高分子の化学変換…反
応…か
らなっているが、本講義は高分子合成の基本となる重合反応論が中心である。主要
な重合
反応としては連鎖反応型の付加重合、開環重合と逐次反応型の縮合重合、重付加、
付加縮
合があり、さらに、連鎖反応型の重合反応にはラジカル重合、カチオン重合、アニ
オン重
合、配位イオン重合がある。これらの重合反応の特徴、それぞれの重合反応におけ
るポリ
マーの生成速度、分子量、構造がどのような因子によって支配されるか、さらにビ
ニル化
合物の重合反応性…ラジカル重合性とイオン重合性…がその分子構造とどのように
関係す
るか、などに重点をおいて解説する。また、これらの内容に加えて、最近の精密合
成の展
開と高分子の分子設計の概念を述べる。
|
授業計画 |
第1週 序論
第2週 重合反応の分類と特徴
第3週 ラジカル付加重合 --- ラジカル重合の素反応
第4週 ラジカル付加重合 --- 重合速度と分子量
第5週 ラジカル付加重合 --- 重合方法とその特徴
第6週 ラジカル共重合
第7週 モノマーの構造と反応性
第8週 イオン付加重合 --- カチオン重合
第9週 イオン付加重合 --- アニオン重合、配位重合
第10週 開環重合
第11週 縮合重合 --- 重合速度
第12週 縮合重合 --- 分子量の調節
第13週 重付加、付加縮合
第14週 その他の重合反応
第15週 まとめ
|
成績評価の方法 |
筆記試験および演習の結果を総合し、成績を決定する。
|
テキスト |
鶴田禎二、新訂 高分子合成反応、日刊工業新聞社、2200円(1985)
|
参考書 |
大津隆行、改訂 高分子合成の化学、化学同人、2781円 (1979)
鶴田禎二、川上雄資、高分子設計、日刊工業新聞社、6000円(1992)
|
履修にあたっての留意点 |
基礎的な有機化学を理解しておくこと
Aコース開講科目の「高分子合成学 II 」も合わせて、受講することが望ましい
|
授業の目標・ねらい |
基本的な重合反応の特徴およびモノマーの反応性を理解すること
|
学生へのメッセージ等 |
モノマーの構造、重合反応を常に化学式で書いて、モノマーの反応性や重合反応の
特徴が
化学式とどのように関係するかを知るように心がけていこう
|