近年、新しい機能を持つ高分子材料が次々と見いだされている。その機能の基礎は、力学現象、熱現象と電磁気的現象が結合したものである場合が多い。そのような現象の原理を理解し、それを開発、研究するためには、電磁気学の基礎を身につける必要がある。この講義の目的は高分子材料の電気的物性を理解し応用するための基礎を作ることである。
内容: 固体中で起こる誘電現象の基礎を学習する。電場、電流、電気変位、分極等の関係を学んだ上で、誘電率、複素誘電率を学ぶ。さらに高分子固体中で起こる緩和現象、転移現象を誘電現象(誘電率の温度分散、周波数分散、熱刺激電流等)をとうして捕らえる方法と原理について学習する。
以上のような基礎の上に高分子の示す様々な機能のうち、電気物性と関係するもの、電気絶縁性、伝導性、圧電性、焦電性、強誘電性等について学習する。
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