機械(machine)は人間の生活を豊かにするために発明され、改良されてきた。
古くは、風力や水力を動力として、近代においてはモーターやエンジンの回転運動を
入力として、エネルギーの消耗が激しい仕事、危険を伴う仕事、単純動作を繰返す仕事
などが機械で置き換えられてきた。これらの機械は、一般には複数の物体が限定運動を
行い機械的に有効な仕事を実現するように構成されている。
限定運動を行うように構成された複数の物体の系を機構(mechanism)という。
機構を構成している部品(element)およびそれらの間の相対運動を
規定する軸受(joint)は外力や使用環境に応じて強度、形状、材質等が計画される
必要がある。
機械運動学においては、機械の最も重要な事項である各部品の相対運動、
特に入出力関係の解析手法並びに代表的な機構であるリンク機構、カム機構
および歯車列について講義する。
|