授業概要 |
エンジンは燃焼により化学エネルギーを熱に変え、さらに機械エネルギーに
変換する仕掛けである。燃料がもつエネルギーの変換は燃料と酸素が混合した
不均一流れ場で行われ、熱と物質(燃料成分)の輸送が不可分に関連して行わ
れる。講義では流体工学、熱工学に立脚してエネルギー変換過程に関連する流
れ場の特性や熱・物質輸送の支配原理について学ぶ。また、エンジンの原理を
理解するためジェットエンジンやロケットモーターを例にとりあげつつそこに
用いられている技術の基礎知識を学ぶ。
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授業計画 |
第1週 熱エネルギーから運動エネルギーへの変換:エンジン効率と
その影響因子
第2--3週 エネルギー変換流れ場の圧縮性流体力学−−圧縮性流体の力学
概要、一次元ラバールノズル流れ、ランキン・ウゴニオの関
係式、ファノ流れ、レイリー流れ
第4--5週 多成分系の保存式:濃度、速度、質量束の定義、拡散に関する
フィックの法則、質量保存、運動量保存、エネルギー保存
第6--8週 化学反応性境界層流れ:序、二次元反応性境界層流れの支配方程式、
境界条件、均一・不均一系化学反応、表面反応又は気相反応を伴う
層流境界層
第9週 燃焼温度:断熱燃焼温度、燃焼効率
第10週 燃焼の熱力学と化学平衡
第11--13週 化学エネルギーから熱エネルギーへの変換:揮発・不揮発性燃料、
気体燃料の燃焼−−気体燃料の層流・乱流予混合燃焼、保炎、
消炎現象、拡散燃焼
第14--15週 液体燃料の燃焼−−燃焼形態、微粒化、油滴の蒸発と燃焼、噴霧に
おける火炎の伝播
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成績評価の方法 |
筆記試験、演習(レポート)及び出席状況を考慮して採点する。
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テキスト |
水谷幸夫、燃焼工学、森北出版、3296円(1994)
講義の一部はプリント又は板書によることがある予定
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参考書 |
小林清志、荒木信幸、牧野敦、燃焼工学−基礎と応用、理工学社、2884円(1993)
K.K.Kuo,Principles of Combustion ,John Wiley \& Sons (1986)
すでに習った科目の教科書及びノート
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履修にあたっての留意点 |
偏微分及び偏微分方程式が使用されるのでこの程度の基礎知識をよく理解して
おく必要がある。
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