授業概要 |
JISによれば、システムとは多数の構成要素が有機的な秩序を保ち同一目的に向か
って行動するものであり、システム工学とはシステムの目的を最もよく達成するため
に対象となるシステムの構成要素、組織構造、情報の流れ、制御機構などを分析し設
計する技術とある。本講義では在庫管理、最適設備更新計画、線形計画法、動的計画
法、マルコフ過程、待ち行列論、グラフとネットワークのテーマを扱う。在庫管理で
は、システムの特性から数学モデルをつくる方法を講義する。設備更新では、システ
ムの経済性に重点をおく。線形計画法では、最大利益、最小費用、最短時間に着目し
た最適生産計画について講義する。動的計画法では線形計画法では扱えない最適化問
題、すなわち非線形最適化の解法を扱う。マルコフ過程では推移図、推移確率、推移
行列を使い社会現象の解析を行う。待ち行列論では到着モード、サービス時間モード
、ケンドールの記号を使い、部品組立の最適化、予約窓口システムについて講義する
。グラフとネットワークではダイカスト法、フォード法を使い、最短時間問題、最大
フロー問題、最小費用フロー問題について講義する。
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授業計画 |
第1週 システム工学とは、ORと数理モデル
第2週 在庫管理、需要が確定的な場合、A:即時納入品切れなし、B:一様納入品切
れありの場合
第3週 C:即時納入品切れなしの場合、D:一様納入品切れありの場合
第4週 設備更新、ゼロ金利設備更新モデル、金額の時間的価値、非ゼロ金利設備
更新モデル
第5週 線形計画法、図的解釈、スラック変数の導入と総当り法、シンプレックス法
第6週 標準型、基底変数と非基底変数、基本解、ピボットの選択
第7週 出発点が標準型でない場合、人為変数の導入、一般的な線形計画問題の解
法
第8週 動的計画法、DPの一般的定式化、繰り返し法によるDPの解法、離散時間最
適制御問題
第9週 投資配分問題、非線形最適化問題のDPによる解法、LP問題のDPによる解法
第10週 有限マルコフ連鎖、マルコフ決定過程、推移確率行列、定常分布
第11週 待ち行列理論、到着モード、サービス時間モード、ケンドールの記号
第12週 M/M/1(∞)の基本的性質、リトルの式、M/M/s(N) モデル
第13週 グラフとネットワーク、最短時間問題、LPによる定式化、ダイカスト法
第14週 フォード法、最大フロー問題
第15週 最小費用フロー問題、双対問題と相補性
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
大鹿 譲・一森哲男、オペレーションズ・リサーチ、共立出版、2,266円(1995円)
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参考書 |
森 雅夫・森戸 晋・鈴木久敏・山本芳嗣、オペレーションズ・リサーチI,II,朝倉
書店,
I:2,987円,II:2,987円(1995)
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履修にあたっての留意点 |
微分方程式、行列論、確率論が使われるので、これらの分野の基礎知識を習得してお
くことが必要である。
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