計算機によるシミュレーションが、実際の設計に積極的にとり入れられるようになったが、その中心的な役割を担っているのが有限要素法である。これは1956年ボーイング社の技術者が、航空機の強度計算法として考えだしたものである。その後、変分法による数学的な裏付けを得て、あっというまに様々の分野に広まった。
現在FEMの教科書が世にあふれているが、その殆どが変分法による定式化を基に解説されている。一般論を展開するには便利であるが、初学者が勉強するには、FEMの本質をむしろ分かりにくくしているものとおもわれる。本講義では、原点すなわちボーイング社の技術者の考え方に戻って解説する。高等数学の知識を特に必要としない。全員、自分のプログラムを持てるはずである。
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