授業概要 |
機械(machine)は人間の生活を豊かにするために発明され、改良されてきた。
古くは、風力や水力を動力として、近代においてはモーターやエンジンの回転運動を
入力として、エネルギーの消耗が激しい仕事、危険を伴う仕事、単純動作を繰返す仕事
などが機械で置き換えられてきた。これらの機械は、一般には複数の物体が限定運動を
行い機械的に有効な仕事を実現するように構成されている。
限定運動を行うように構成された複数の物体の系を機構(mechanism)という。
機構を構成している部品(element)およびそれらの間の相対運動を
規定する軸受(joint)は外力や使用環境に応じて強度、形状、材質等が計画される
必要がある。
機械運動学においては、機械の最も重要な事項である各部品の相対運動、
特に入出力関係の解析手法並びに代表的な機構であるリンク機構、カム機構
および歯車列について講義する。
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授業計画 |
第1週 機械と機構
第2週 剛体の位置決定変数と自由度
第3週 対偶(軸受)の種類と自由度
第4週 機構の自由度の算出式
第5週 機構の交替と対偶の拡張
第6週 瞬間中心とセントロード
第7--8週 リンク機構の入出力関係
第9週 カップラーカーブ
第10週 速度・加速度解析
第11--12週 カム機構の入出力関係
第13週 歯車列の速度比
第14週 ばね質量系の動特性
第15週 回転体の釣合せ
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成績評価の方法 |
授業中に適宜行う演習および学期末の試験により、授業内容に対する到達を判定して
成績を決めます。
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テキスト |
森田 釣、機構学、実教出版、2000円
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参考書 |
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履修にあたっての留意点 |
高等学校で学習した三角関数、2次方程式の解法、座標変換等は
運動機構を幾何学的にモデル化し、解析することの基礎です。
これまでの勉強が大いに役立ちます。
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授業の目標・ねらい |
機構の運動を決定する閉回路方程式を基に、入出力関係をパソコンで
シミュレートできれば将来が楽しみです。マニピュレータ機構、
パラレルメカニズム、等速継手、空間歯車装置などに関心のある方は
積極的に学習して下さい。
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