工学部

授業科目名:
機械運動学
(英語名): Kinematics of Machinery
対象学年:
2年Bコース
開講学期:
前期
開講形態:
講義
担当教官: 渡辺 克巳 (WATANABE Katsumi)
単位数:
対象学科:機械システム工学科 区分:専門科目・選択 521105

授業概要

 機械(machine)は人間の生活を豊かにするために発明され、改良されてきた。 古くは、風力や水力を動力として、近代においてはモーターやエンジンの回転運動を 入力として、エネルギーの消耗が激しい仕事、危険を伴う仕事、単純動作を繰返す仕事 などが機械で置き換えられてきた。これらの機械は、一般には複数の物体が限定運動を 行い機械的に有効な仕事を実現するように構成されている。
 限定運動を行うように構成された複数の物体の系を機構(mechanism)という。 機構を構成している部品(element)およびそれらの間の相対運動を 規定する軸受(joint)は外力や使用環境に応じて強度、形状、材質等が計画される 必要がある。
 機械運動学においては、機械の最も重要な事項である各部品の相対運動、 特に入出力関係の解析手法並びに代表的な機構であるリンク機構、カム機構 および歯車列について講義する。

授業計画

 第1週 機械と機構
 第2週 剛体の位置決定変数と自由度
 第3週 対偶(軸受)の種類と自由度
 第4週 機構の自由度の算出式
 第5週 機構の交替と対偶の拡張
 第6週 瞬間中心とセントロード
 第7--8週 リンク機構の入出力関係
 第9週 カップラーカーブ
 第10週 速度・加速度解析
 第11--12週 カム機構の入出力関係
 第13週 歯車列の速度比
 第14週 ばね質量系の動特性
 第15週 回転体の釣合せ

成績評価の方法

授業中に適宜行う演習および学期末の試験により、授業内容に対する到達を判定して 成績を決めます。

テキスト

森田 釣、機構学、実教出版、2000円

参考書

履修にあたっての留意点

 高等学校で学習した三角関数、2次方程式の解法、座標変換等は 運動機構を幾何学的にモデル化し、解析することの基礎です。 これまでの勉強が大いに役立ちます。

授業の目標・ねらい

 機構の運動を決定する閉回路方程式を基に、入出力関係をパソコンで シミュレートできれば将来が楽しみです。マニピュレータ機構、 パラレルメカニズム、等速継手、空間歯車装置などに関心のある方は 積極的に学習して下さい。

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