授業概要 |
設計作業、三次元表示技術、バーチャルリアリティ技術など、図形を取り扱い
処理する分野が非常に多くなっている。本講義では、図形処理をコンピュータを
援用して行う際に必要となるコンピュータグラフィックスの図形の表示に関連
する理論と技術について講述する。その最も基本的な技術である図形変換論を、
二、三次元の線形変換、アフィン変換、射影変換の順に系統的に述べる。同次座
標の手法の導入により、これらの変換が線形化され、統一的な扱いが可能となること
を示す。二及び三次元の図形表示、隠れ線・面消去法などについても言及した後、
講義した技術を用いて作成した三次元図形表示プログラム(視点、拡大・縮小、
平行移動、透視、回転、回転軸などの変更可能)を実際に稼動させ、実体験を通
して講義内容をより深く会得する。
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授業計画 |
第1週 コンピュータを用いた図形処理の必要性と用途、
図形の変換と座標系の変換
第2週 二次元アフィン変換、2×2行列による変換(スケール変換、せん断変換、
回転、平行移動)
第3--4週 3×3行列による二次元アフィン変換、任意点を中心とする拡大・縮小、
回転、同次座標
第5週 二次元アフィン変換に関する演習
第6--7週 二次元射影変換:スケール変換、二次元射影変換のプロセス、演習
第8--9週 三次元アフィン変換:スケール変換、せん断変換、回転、平行移動、
任意軸まわりの回転
第10週 三次元アフィン変換に関する演習
第11週 三次元射影変換:スケール変換、透視投影変換
第12週 三次元図形表示:三次元ワールド座標系と視点座標系、透視図形の作成
第13--14週 隠れ線・面消去の基本技術
第15週 三次元図形表示ソフトウェアのデモンストレーション
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成績評価の方法 |
定期試験、演習、およびレポートの結果を総合して成績を評価する。
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テキスト |
山口富士夫、コンピュータディスプレイによる図形処理工学、日刊工業、
4,000円(1987)
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参考書 |
D.F. Rogers \& J.A. Adams(山口富士夫訳)、コンピュータグラフィックス、
3,000円(1988)
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履修にあたっての留意点 |
数学的手法としてマトリックス演算を多用するので、線形代数学の基礎を
マスターしておくことが望ましい。
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