授業概要 |
電離気体(電子、イオン、中性粒子から成る)は、材料プロセスや核融合など広く用い
られているが、その様々な物性を基本的な所から理解できるようにする。
前半は、通常の気体と区別するのに大きな役割を果たす電離気体中の色々なタイプの衝
突に注意を払いながら、幾つかの中心概念を学ぶ。後半は、それらと電離気体の巨視的振
舞を記述する流体力学的方程式とを結びつけることにより、放電の前駆現象、直流グロー
放電、高周波放電などの解析を行う。
具体的内容は、衝突過程(弾性、非弾性)、衝突断面積、電子のエネルギー分布関数、
平均自由行程、荷電粒子のドリフト及び拡散、モーメント式、放電開始条件、直流グロー
放電及び高周波放電の特性などである。また、電子の集団運動やデバイ遮へいについても
触れる。
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授業計画 |
第1--2週 電離気体の基本的特性
第3--4週 気体の一般的性質
第5--6週 電離気体中の衝突過程
第7--8週 移動度、拡散係数
第9週 流体力学的方程式
第10--11週 放電の前駆現象
第12--14週 直流グロー放電
第15周 高周波放電
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成績評価の方法 |
筆記試験およびレポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
林 泉、プラズマ工学、朝倉書店、3,502 円
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参考書 |
林 泉 他、プラズマ工学演習、朝倉書店、2,678 円
堤井 信力、プラズマ基礎工学、内田老鶴圃、3,914 円
J.S. チャン 他、電離気体の原子・分子過程、東京電気大学出版局
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履修にあたっての留意点 |
電子物性I、電磁気学Iを修得していることが望ましい。
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学生へのメッセージ等 |
色々な事項の単なる記憶ではなく、その物理的意味を考えることにより電離気体の物性
についてのイメージを持ってもらいたい。
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