授業概要 |
ディジタル信号処理は、音声、画像、通信、医用、計測等に関連する分野のシステ
ムを実現する上での共通基礎技術として不可欠である.ディジタル信号処理を学び、
活用する上での基礎的な概念や理論を平易に解説する.
講義は、連続的・離散的な時間の信号とシステム、z変換、離散的フーリエ変換、
の3つの章からなる.1章では、三角関数等の直交関数系に基づく連続時間信号の級
数表現、離散時間信号への変換と標本化定理を示す.離散時間システムのクラスを定
義し、このシステムの表現法を、時間領域ではたたみ込み和、周波数領域ではフーリ
エ変換を用いて与える.2章では、フーリエ変換を一般化して、離散時間信号とシス
テムに関する1章の議論を、z変換の見地から論ずる.z変換の定理と性質、線形シ
フト不変システムのシステム関数表現を与える.3章では、離散的フーリエ変換を導
入する.この変換はディジタル信号処理の多くの手法の基礎をなすものである.離散
的フーリエ変換の計算時間を大幅に短縮する高速フーリエ変換(FFT)の原理とア
ルゴリズムを紹介する.
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授業計画 |
第1週 連続信号と直交級数表現
第2週 離散信号と標本化定理
第3週 線形シフト不変システム
第4週 安定性と因果性
第5週 線形定係数差分方程式
第6週 周波数領域での表現
第7週 フーリエ変換の対称的な性質
第8週 z変換
第9週 逆z変換
第10週 z変換の定理と性質
第11週 システム関数
第12週 離散的フーリエ級数
第13週 離散的フーリエ変換
第14週 高速フーリエ変換の原理
第15週 高速フーリエ変換のアルゴリズム
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成績評価の方法 |
筆記試験
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テキスト |
伊達玄(訳)、ディジタル信号処理(上)、コロナ社、5150円(1978)
辻井重男・久保田一、わかりやすいディジタル信号処理、オーム社、2500円(1993)
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参考書 |
辻井重男・鎌田一雄、ディジタル信号処理、昭晃堂、3296円(1990)
三谷政昭、入門ディジタル信号処理、オーム社、3300円(1991)
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履修にあたっての留意点 |
数学III、システム基礎、情報伝送の科目を履修しておくことが望ましい.
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