授業概要 |
コンピュータは一定桁数演算によりデータ処理を行なっている。本講義ではまず、コン
ピュータを用いて数値計算を行なう際に生ずる問題点について学ぶ。すなわち、打ち切
り誤差、丸め誤差、有効数字等について学び、通常の算術演算における交換則・結合則・
分配則が必ずしも成立するとは限らないことを明らかにし、桁落ち、丸め誤差および情
報落ちの問題に言及する。これらの問題点を考慮にいれて、科学技術計算の際に現われ
る数値計算問題に対する計算アルゴリズムを導出する。具体的には、補間公式、数値積
分公式、常微分方程式の数値解法、線形代数方程式の数値解法および高次代数方程式の
数値解法について、種々のアルゴリズムを学ぶ。
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授業計画 |
第1--2週 概論
・誤差と有効数字
・一定桁数演算に関する問題
第3--4週 補間公式
・Lagrange補間公式
・補外
第5--7週 数値積分
・台形則とSimpson則
・開いた積分公式
第8--10週 常微分方程式
・Taylor法
・Runge-Kutta法
第11--13週 線形代数方程式
・Gauss-Jordan法
・Gauss-Seidel法
・逆行列
第14--15週 高次代数方程式
・Newton法
・はさみうち法
・Bairstow法
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
数値解析テキスト(北嶋)を適宜配付
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参考書 |
山本:数値解析入門:サイエンス社:1,800円
池辺、稲垣:数値解析入門:昭 晃 堂:3,399円
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履修にあたっての留意点 |
学習の基礎として、「プログラミング演習I」、「プログラミング演習II」および「計
算機基礎」の講義を履修しておくこと。特に、学んだ数値計算アルゴリズムをC言語あ
るいはFORTRANによりプログラムし、具体的な問題をコンピュータにより解くこ
とが望ましい。
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授業の目標・ねらい |
数値計算を必要とする理工学上の問題に対し、コンピュータを用いて解く際に生じる問
題点を明らかにし、基本となる計算アルゴリズムを会得させると共に、応用能力を培う
ことを目的とする。
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