工学部

授業科目名:
数値解析II
(英語名): Numerical Analysis II
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
後期
開講形態:
講義
担当教官: 神谷 淳 (KAMITANI Atsushi)
単位数:
対象学科:電子情報工学科 区分:専門科目・電子工学, 情報工学両専修コース推奨 530175

授業概要

 自然界や工学に現れる現象の殆どは,数理モデルで記述される。一般に,数理モデルは 偏微分方程式,積分方程式を用いて記述されるが,境界形状が単純で方程式が線形となる 一部の場合を除くと,解析解を得ることは殆ど不可能である。近年,計算機の高速化,大 容量化に伴い,計算機支援のもとで数理モデルを解く数値シミュレーションが現象解析や 装置設計に不可欠になってきている。
 本講義では,数理モデルに頻繁に現れる偏微分方程式系の境界値問題・固有値問題を数 値的に解く手法として,有限差分法,境界要素法,有限要素法を紹介する。さらに,一般 の有限差分法では,矩形メッシュだけを対象としているため,複雑形状領域や多重連結領 域を扱うことが困難である。本講義では,自動格子生成法を用いた差分法も時間があれば 解説し,有限差分法の概念を拡張する。

授業計画

第1週 数理モデルとは
第2--4週 有限要素法
第5--7週 境界要素法
第8--10週 有限差分法
第11--13週 境界適合型曲線座標系の自動生成法
第14--15週 境界適合型曲線座標系を用いた有限差分法

成績評価の方法

 筆記試験,レポートの結果を総合的に評価し,成績を決定する。

テキスト

登坂宣好,大西和栄,偏微分方程式の数値シミュレーション,東京大学出版会(1991)

参考書

神谷紀生, 有限要素法と境界要素法,サイエンス社(1982)
G. D. スミス著, 藤川洋一郎訳,電算機による偏微分方程式の解法,サイエンス社( 1971)

履修にあたっての留意点

 学習の基礎として,『ベクトル解析』に慣れておくことが望ましいが,未履修の学生は 『演習ベクトル解析』(寺田文行,坂田生,齋藤偵四郎著,サイエンス社)等を自習して から授業に望むと有益でしょう。

授業の目標・ねらい

 簡単なポアソン問題を例として偏微分方程式系を数値的に解く手法を学ぶことにより, 数値シミュレーションの基礎を修得することが本講義の目標である。実際にシミュレーシ ョン・プログラムを作成するといった演習は時間の関係上行わない。

学生へのメッセージ等

 本講義は,独自の理論体系に基づいて講義してゆくため,テキスト通りには進行しない 。従って,必ずしもテキストを購入する必要はない。講義で不明な点は,質問するか,図 書館を活用して下さい。

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