授業概要 |
今日の計算機の基礎的なモデルとなったオートマトンと,それと
双対をなす形式言語理論について学ぶ.
オートマトンとは計算機の数学的モデルであり,形式言語理論は
自然言語やプログラミング言語の数学的モデルである.これらはそ
の“複雑さ”に応じていくつかのクラスに分けられ,かつ両者の間
には強い関係がある.この講義では,オートマトン理論および形式
言語理論を通して,“計算”ということを厳密にかつ数学的に考察
する.
講義の前半は,最も単純なモデルである有限オートマトンと正規
文法について述べる.後半では,プッシュダウンオートマトンと文
脈自由文法について述べ,これらの計算能力が等価であることを示
す.特に文脈自由文法については詳しく取り扱い,その諸性質につ
いて述べる.
|
授業計画 |
第1週 言語と文法
第2週 文法とオートマトンの階層
第3週--第5週 有限オートマトン(決定性,非決定性有限オートマトン等)
第6週--第7週 正規文法
第8週--第11週 文脈自由文法とその標準形
第12週--第14週 プッシュダウン・オートマトン
第15週 最近のオートマトン理論
|
成績評価の方法 |
筆記試験
|
テキスト |
J.ホップクロフト・J.ウルマン,言語理論とオートマトン,サイエンス社,2,900円
|
参考書 |
J.ホップクロフト・J.ウルマン,オートマトン・言語理論・計算論I,II,
サイエンス社,各2,900円
|
履修にあたっての留意点 |
学習の基礎として,「情報数学I」を履修していること
を前提として講義を行う.
|