授業概要 |
計算機上で知識情報処理を実現するには,知識の表現および推論の
仕方を厳密に記述する必要がある.このような知識の表現法と推論法
に関する数学的基礎理論を学ぶ.
前半は,グラフを用いた問題の解決法について講義する.解決した
い問題(知識)をグラフ上で表現し,問題の解決(推論)をグラフの
探索問題に置き換える.さらに,解の探索をどのようにすれば効率よ
く行えるのかについて述べる.
後半は,論理体系と論理による推論の実行法について講義する.論
理とは,知識の表現法と推論法を記号理論として厳密に記述した数学
体系である.この講義では,代表的な論理である命題論理と述語論理
を取り上げ,その構文,意味論,公理体系,および推論法について詳
しく述べる.次に,論理的推論を実際に計算機上で実現するための基
盤となる,導出原理を用いた推論手続きについて講義する.
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授業計画 |
第1週 グラフを用いた問題表現
第2週 解の探索
第3週 評価関数を用いた探索法
第4週--第5週 命題論理(構文,意味論,公理体系)
第6週--第8週 述語論理(構文,意味論,公理体系)
第9週 スコーレム標準形
第10週--第12週 導出原理を用いた推論手続き
第13週 解の抽出
第14週--第15週 拡張論理(時制論理,信念の論理など)
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成績評価の方法 |
筆記試験
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テキスト |
太原 育夫,人工知能の基礎知識,近代科学社,2,900円
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参考書 |
坂本 百大・坂井 秀寿,新版 現代論理学,東海大学出版会,2,800円
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履修にあたっての留意点 |
学習の基礎として,「情報数学I」および「情報数学II」を履修していること
を前提として講義を行う.
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