授業概要 |
前半は、万能な計算機のモデルであるチューリング機械を取
り上げ、計算機で計算することをつきつめるとどうなるかについて
考察する。特に、他のすべての問題の決定不能性の基礎となる、チ
ューリング機械の停止問題の決定不能性については詳しく述べる。
後半は、これらの機械の領域計算量や時間計算量について考察し、
計算量の階層がこれらのモデルや機械とどのようにかかわっている
かについての最近の理論を述べる。最後に、多項式時間と多項式領
域、NP完全性などについて述べる。
|
授業計画 |
第1週 復習、チューリング機械
第2--3週 チューリング機械の構成技法
第4--5週 チューリング機械の諸変形
第6--7週 停止問題の決定不能性
第8--9週 Postの対応問題
第10週 Chomsky階層
第11--12週 時間計算量と領域計算量
第13--14週 多項式時間と多項式領域
第15週 NP完全問題
|
成績評価の方法 |
筆記試験
|
テキスト |
(著者)J.ホップクロフト、J.ウルマン
(書名)オートマトン 言語理論 計算論 I
(出版社)サイエンス社
(価格)2,900円(1984)
|
参考書 |
(著者)J.ホップクロフト、J.ウルマン
(書名)オートマトン 言語理論 計算論 II
(出版社)サイエンス社
(価格)2,900円(1986)
|
履修にあたっての留意点 |
この講義は2年次に開講される「オートマトンと言語理論」に続く
ものとして行われる。その知識を前提とした進め方を行うので、必
ずこの講義を履修しておくこと。
|
授業の目標・ねらい |
計算機で計算をするということに関する理論的基礎を、計算
機の究極のモデルであるチューリング機械を用いて考察する。
|
学生へのメッセージ等 |
この講義では、計算機を理論的に理解させることを目的とする。
したがって、理論を好まない者には受講を勧めない。
また、この講義で最終単位を取ることのないように。
|