工学部

授業科目名:
サイバネテイックス
(英語名): Biomedical Cybernetics
対象学年:
3年Aコース
開講学期:
後期
開講形態:
講義
担当教官: 宮本 嘉巳 (MIYAMOTO Yoshimi)
単位数:
対象学科:電子情報工学科 区分:専門科目・選択  情報工学専修コース推奨 530305

授業概要

 近年、医学と工学が融合した学際領域の新しい学問である医工学、システム 生理学、生体工学などが盛んになってきている。本講義は、数学、電子回路の基礎 的素養がある学生に、生物の様々な生理現象を工学システムの立場から理解させること を目的としている。
 講義は、W.B.Blesser著(池田謙一訳)「医学・生物学におけるシステム 理論」上巻(東大出版会)を基礎として担当教官が作成したテキスト にもとずいて行われる。内容は生理現象を工学システムの立場から理解するために、 呼吸、循環、筋収縮などの力学系、体温調節などのホメオスタシス系を例にとり、 生体システムにおける抵抗、蓄積の性質、フイードバック制御などの概念を明らか にし、アナログモデル、数学モデル、シミュレーションの基礎について解説する。

授業計画

第1週   序論、生体生理システムのモデルとアナログ
第2週   簡単な生体生理システムの物理特性
第3週   分布定数システムと集中定数システム、線形と非線形
第4週   システムの性質、抵抗の概念
第5週   体温ホメオスタシスの簡単なモデル
第6週   システムの性質、蓄積の概念
第7週   中空粘弾性要素、呼吸器システムのモデル
第8週   円筒系粘弾性要素、血管系のモデル
第9週   熱の蓄積と放散のシステム、体温調節系のシミュレーション
第10週  機械的システムにおける粘弾性要素、筋収縮のシミュレーション
第11週  様々な性質をもつ複合システムの解析
第12週  ステップ応答とパルス応答
第13週  過渡応答と時定数
第14週  伝達関数
第15週  伝達関数を用いた生体モデル

成績評価の方法

 筆記試験

テキスト

 宮本嘉巳篇、サイバネチックステキスト、無料

参考書

 岩瀬善彦・森本武利、やさしい生理学、南江堂、2400円(1994)
 ほかに制御工学、電子回路の基礎的教科書

履修にあたっての留意点

 本講義を理解するうえで生理学などの医学知識については 教官がその都度解説するので必ずしも必要ではない。むしろ、電子回路、 ラプラス変換、微分方程式などの確実な基礎知識が必要である。先行、 又は平行して制御工学を履修することが望ましい。生体系であっても いわゆる暗記科目ではなく、安易な気持での単位取得は困難である。

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