授業概要 |
目的
電気エネルギー自体は、直接人類の役に立つものではないので別な形のエネルギー
に変換する必要がある。人類に最も多く利用されているエネルギー形態は力学運動エ
ネルギーである。基本式から出発して、この電気エネルギーと力学運動エネルギーの
変換過程を理論的に導き、実際のものにあてはめながらその変換過程を理解させる。
内容
1.電気エネルギー表現の基本となるマクスウェルの方程式を整理し、力学運動シス
テムに適用でき るように近似を行う。
2.電気エネルギーを力学運動に変換できる素子はインダクタンスとキャパシタンス
であるので、運 動をも含めた一般化された表現式の導出を行う。
3.電気回路に対比して力学運動システムを考え、同様に力学運動の3素子の表現式
を導出する。
4.電気システムと力学システムとの結合部に損失がない場合のエネルギー変換がど
のように行われ るかをエネルギー保存則をもとに導く。
5.両システムを表現する運動方程式を求め、線形な場合と非線形な場合における解
法について、実 際のものを例にして説明する。
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授業計画 |
第1週 エネルギー変換の必要性、電磁気学の整理
第2週 電磁気力、電源、抵抗
第3週 一般化されたインダクタンス、具体的な例
第4週 一般化されたキャパシタンス、具体的な例
第5週 力学系の素子と源、具体的な例
第6週 磁界系での変換過程
第7週 電界系での変換過程
第8週 全体の運動方程式
第9週 線形微分方程式の解法
第10週 平衡と安定性
第11週 動的平衡
第12週 動的不安定
第13週 正弦的定常状態の線形化
第14--15週 非線形な系の解法
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成績評価の方法 |
中間試験と期末試験。出席点も加味。
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テキスト |
浅野和俊、電気−力学システムの基礎と応用、養賢堂、2884円
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参考書 |
H. H. WOODSON \& J. R. MELCHER, ELECTROMECHANICAL DYNAMICS, vol. I
JOHN WILEY \& SONS, INC.
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履修にあたっての留意点 |
電気システムの基本式であるマクスウェルの方程式と、力学システムの基本式のニ
ュートンの運動方程式を結合させた問題であるので、もとの基本式を十分理解してい
ることが望ましい。三角関数、ベクトル解析、複素数もよく理解しておくこと。
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