授業概要 |
レーザが発明されてから35年が経過し、レーザ技術が信頼性のある技術に発展し、
光通信や光記録・再生等の基本技術が光エレクトロニクスの主要な分野に定着してき
た。それに伴って、光エレクトロニクスはエレクトロニクス技術の中に重要な地位を
占めるようになった。ここでは、半導体の光学的特性と光通信や光記録・光計測に用
いられる、半導体発光素子、光検出器、光ファイバなどの動作原理を学ぶ。
講義ではまず、光学の基礎として、屈折や反射などの光線近似による解析を行ない
、光導波路の概念を学ぶ、次に、より一般性のある波動光学を学び、光エレクトロニ
クスの主要な伝送手段に用いられる光ファイバの性質を学ぶ。次に、半導体において
光がどのように放出され、吸収され、そして増幅されるかについて現象論的に理解す
る。これらの準備をもとに、半導体レーザや発光ダイオードの光源の性質の解析とそ
の特性、およびその変調特性について学ぶ。又、受光デバイスとしてフォトダイオー
ドや APD の動作原理を理解する。
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授業計画 |
第1週 光エレクトロニクスの背景
第2週 光学の基礎(屈折、反射)
第3週 誘電体光導波路(光線近似)
第4週 誘電体光導波路(波動光学)
第5週 光ファイバ
第6--7週 半導体による発光・吸収
第8週 ヘテロ接合
第9週 発光ダイオード(LED)
第10--11週 半導体レーザ(構造と静特性)
第12週 半導体レーザの直接変調特性
第13週 受光器(PD,APD)
第14--15週 光エレクトロニクス分野の先端技術紹介
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成績評価の方法 |
筆記試験
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テキスト |
末松安晴、光デバイス、コロナ社
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参考書 |
末松,上林 、光デバイス演習、コロナ社
A.Yariv(多田,神谷訳)、光エレクトロニクスの基礎、丸善
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履修にあたっての留意点 |
光エレクトロニクスは「光学」と「エレクトロニクス」の融合した領域であり、こ
れを学ぶためにはある程度の基礎知識が必要です。電磁気学I、II、電子物性、半導
体工学を履修していることを前提として講義を進めます。マックスウエル方程式、半
導体のバンド構造などを復習しておいてください。
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