授業概要 |
目的:定量化(測定)による客観性・普遍性のゆえに科学が発達したと言ってもよい。
数ある測定法も系の概念で整理することができ、それぞれの測定のメカニズムの特徴、
問題点を学び、測定の信頼性を評価するための基礎を身につける。
内容:講義では系の概念を導入する。次に、測定値の普遍性を保証する単位系や標準
の取り決め、測定値の処理方法、誤差について学ぶ。基本となる測定のメカニズムと
測定系を通過する際の(物理)量の変化をブロックダイアグラムで捉える。偏位法を
例にとり、系の静特性および動特性について調べる。零位法の原理と長所、短所を偏
位法と比較した後、測定のメカニズムを要素に分けて学び、最後に、最近のコンピュ
ータの発達により良く使われるようになったディジタル信号と、アナログ信号を比較
する。
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授業計画 |
第1週 計測工学概論
第2週 単位系と標準
第3週 測定系と静特性
第4週 測定値の処理と誤差
第5週 測定のメカニズム
第6〜7週 偏位法・動特性
第8週 (ここまでの講義内容に関するテスト)
第9週 負荷効果
第10週 零位法
第11週 センシング要素
第12〜13週 信号変換要素と演算要素
第14週 表示、記録要素
第15週 アナログ量とディジタル量
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成績評価の方法 |
筆記試験および演習、レポートの結果を総合し成績を決定する。
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テキスト |
(著者)小宮勤一(書名)計測システムの基礎 (出版社)コロナ社(価格)2,060円(
1994)
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参考書 |
(著者)新妻弘明、中鉢憲賢 (書名)電気・電子計測(出版社)朝倉書店(価格)2,
987円
(1994)
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履修にあたっての留意点 |
電子情報工学科のほとんどの学生が、将来、科学・工学に係る仕事につく。また、それ
ほど遠い将来でなくとも、学生実験、卒業研究において測定を行う機会は多い。測定の
メカニズムに注意を払い、信頼のおける測定値を得るにはどうしたらよいかを学ぶこと
が大切である。授業で取り上げる測定法は限られるので、個々の知識としてではなく、
考え方を実際の経験と照らし合わせながら身につけられたい。
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