授業概要 |
目的:理工系学生が最初に学習する数学教科は、微積分学及び線形代数学であるが、
次に学習する教科の一つに複素解析学が挙げられる。その中心の一つである Cauchy の
積分定理を通して、複素積分の十分な計算力を養うことを目的とする。また我々の生活
感情が数学の定理を発見するという信念から、講義を通して個人の人間形成をはかる。
内容:高校及び一年次前期に学習した実数を変数とする実数値関数の微積分に対して、
複素数を変数とする複素数値関数の微積分を講義する。先ず複素関数の微分と積分を定義
し、実関数の場合の微積分の公式が成り立つことを見る。次に正則関数は積分表示出来る
という Cauchy の積分公式を導き、それから正則関数の持つきれいな性質を見る。また
同公式から留数定理を導き、複素積分の計算に応用する。
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授業計画 |
以下の項目に沿って授業を行い、各項目平均2週を考えている。
1。複素数と複素平面
2。複素関数(連続性、可換性、一様収束、関数項級数、整級数、収束半径、初等関
数)
3。正則関数(複素微分、正則、Cauchy - Riemann の関係式)
4。複素積分
5。Cauchy の積分定理(Cauchy の積分公式、Taylor の定理、一致の定理、最大値
の原理、
Liourville の定理)
6。Laurent 展開(除去可能な特異点、m 位の極、真性異点)
7。留数定理とその複素積分への応用
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成績評価の方法 |
筆記試験
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テキスト |
鶴見和之他, 応用解析学, 昭晃堂, 2,730 円
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参考書 |
鶴見和之他, 複素解析学, 昭晃堂, 2,678 円
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履修にあたっての留意点 |
数学は積み重ねの学問であるから、実数値関数の微積分が良く学習されていなければ
ならない。また講義に臨んでは、学問をするんだという心構えがなくてはならない。
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