理学部
授業科目名:
対象学年:
開講学期:
開講形態:
地球上の物質循環像を定量的に描こうとするとき、化学的アプローチが有効 な手段となる。本講義では、特に大気圏を経由する物質の遠隔輸送に重点を 置き、(1)地球科学・環境科学分野において有用となる化学の基礎知識、 (2)化学的視点から見た地球の構造、(3)地球表層における物質循環像に 迫るための化学的手法について説明する。
授業は以下の分類に沿って進め、最新の研究例も適時紹介する。 ・化学の基礎知識(化学元素、周期律表、濃度、化学反応、放射性核種、放 射壊変などについて) ・地殻、大気、海洋の化学組成(地殻・大気・海洋の構造と元素存在度など について) ・化学分析値の地球科学的意味(データの正確さ、標準物質、過剰量、濃度 比、濃縮係数などについて) ・化学物質の動きと環境シグナル(指標元素、存在量と流出入量、物質の滞 留時間などについて) ・地球化学試料の採取法と分析法(目的とサンプリング計画、観測法と分析 法などについて) ・今日の地球化学研究--黄砂現象と海洋環境との関わりについて ・今日の地球化学研究--極地氷コア解析による地球古環境の復元について
小テストおよびレポートの結果を総合し成績を決定する。
西村雅吉、環境化学、裳華房、1,854円
1994) 松尾禎士、地球化学、講談社、3,900円 地球内部の化学および同位体地球化学に詳しい。 大喜多敏一、大気保全学、産業図書、3,200円 大気圏の化学と物理過程について解説している。 角皆静男・乗木新一郎、海洋化学−化学で海を解く、産業図書、3,708円 海洋の化学に重点がおかれている。 半谷高久、地球化学入門、丸善、2,884円 有機地球化学、生物地球化学、社会地球化学に詳しい。
地球化学・環境化学分野の専門用語、データ解析の常套手段、これまでの成 果等について解説します。参考にして下さい。