授業の内容は、だいたい次のようになります。
1 江戸時代後期成立の写本の翻刻(筆の文字を現在の文字に換えたもの)を読み、
内容を把握します。
2 内容が歴史的事実として存在したか、地名・人名などを含めて検討します。
3 そのために、この写本以外にも同じ事件が記録されている資料を探します。
江戸時代から現代までの資料が対象になります。しだいに分かってきますが、
時代が下るに従って、「事実譚(事実あった話)」としての語りが、次第に誇張
されたり、変更されて、場合によっては「昔話」になる場合もあります。
4 現在までの口承資料を検討します。事実譚として語る人、昔話として語る人など
さまざまです。
5 テキスト刊行後、新たに見つかった資料をも見ていきます。
これら諸資料には、言葉の持つ不思議、語り継ぐ人間の表現力の豊かさを
見ることが出来ます。
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