授業概要
現代の世界経済の動きを、やや長期的視点に立ってみると、実に多くの諸問題に見舞われて今日に至って
います。
「変動相場制」という不安定な国際通貨制度(世界の通貨システム)への転換をよぎなくされた1973年
以後の
20数年に限ってみても、(1)1973年及び79年に発生した2回にわたる石油危機をはじめ、(2)
1970年代半
ば以降ほぼ10年にわたって続いたスタグフレーション(景気低迷下の物価高)、(3)1980年代初頭
に勃発した
債務累積問題と国際金融不安、(4)1980年代に入って特に顕著となった日米経済対立の激化、(5)
世界経済の中心
国、アメリカの巨大債務国化、(6)EU(ヨーロッパ連合)に象徴される地域主義化の進展、そして(7
)1980年代
末のバブル崩壊とそれに続く世界経済の低迷や97年秋に始まる突然のアジアの経済瓦解、等々、大問題の
連続であった
ことが解ります。
本講義では、世界経済が抱えるこうした諸問題の論理的連関性を解明することに力点を置いて、現代世界
経済の
易しい分析を試みたいと思います。
授業計画
戦後半世紀を越える世界経済の通史から授業を展開し、変動相場制下の現代の世界経済において生じてい
る
上述のような諸問題を、一つ一つ解明する予定です。
なお、テキストは使用せず、授業の都度に配布するプリントに基づいて講義を行います。
成績評価の方法
定期試験及び出席状況を総合して判定します。
テキスト
使用せず。プリントを配布します。
参考書
授業でその都度指定します。
その他
授業の目標・ねらい
私達の社会の動きを大きく規定しているのは経済の動きです。世界経済の分析を通じて、社会を見る眼を
養ってもらいたいと思います。
担当教官の専門分野
国際経済論
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