授業概要
日本は、明治維新(1868年)の後に、諸制度の改革を行ったが、その改革に際して、手本とされたのは、欧米の諸制度であった。
法制度の改革は、フランス法をモデルとして、始められたが、当時の西ヨーロッパの強国は、一方で、近代市民社会の運営に適合する法
制度を整備しつつ、他方で、過酷な植民地支配を通じて、アジア、アフリカの富を収奪していったのであった。 今日の世界は、単一
の商品市場の枠の中に組み込まれているが、この市場の構成員の間には、収奪、被収奪の関係が残存し、また、個々の構成員がそれぞれ
の内部矛盾を抱えている。 現代社会が抱える諸問題を、法律学の見地から考えていこう、というのが、本講義の意図するところであ
るが、そのために、先ず、近代市民社会の成立と、近代市民社会の特質とを論じた後に、近代市民法の変容の問題を扱うことになろう。
授業計画
成績評価の方法
筆記試験の成績による
テキスト
佐々木平伍郎他編、「新法学大要」 勁草書房
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