授業概要
<江戸時代の政治・経済-一揆・打ちこわしの時代像->をテーマに講述する。本講義では、江戸時代の政治や経済、思想のあり方について、都市や農村で生起した一揆および打ちこわしを素材に考察する視点=方法をとる。
なぜ人々は一揆や打ちこわしに立ち上がったのか、その政治的ないし経済的な背景は何か、一揆や打ちこわしを起こした人は誰で、どのように運動を展開していったのか、彼らはどのような思想・信念にもとづいて運動を起こしたのか、彼らが正しいと考えていた政治や経済のあり方はどのようなものだったのか、などが講述のポイントとなる。
民衆運動の生起の背景には、政治的経済的社会的および主体的な諸要因が存在しており、時代像を全体的に考察していくときに民衆運動史は格好の素材となる。現代人とは異なる行動様式や意識形態がそこに認められることを「発見」していくことにより、江戸時代像の認識を深めていくことをねらいとする。
授業計画
講義の主な柱は以下の通り。
1 序論-民衆運動史研究の諸段階-
2 百姓一揆の背景
3 百姓一揆の行動と思想
4 打ちこわしの背景
5 打ちこわしの行動と思想
6 都市騒擾の多様性
7 公儀意識と『天下の民』
8 義民物語の虚実
9 一揆目安と庶民教育
10 江戸時代像の転換
成績評価の方法
夏季レポート、試験(期末)、平常評価、の総合による。
テキスト
適宜プリントを配布する。
その他
学生へのメッセージ等
史料の解読に努力しながら、根気よく受講してほしい。
担当教官の専門分野
日本経済史・日本近世史
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