授業概要
現在、自由な市場の有効性に全面的に
信頼をおく考え方がさかんである。
しかし、安易に市場メカニズムに信をおいてよいのだろうか。
ケインズは、20世紀前半のイギリス資本主義
の直面した諸問題と対決するなかで、
彼の経済学をつくりあげた。
そうすることによって、失業や経済の不安定性
という市場メカニズムの限界の一面を明らかにした。
この講義では、まず、ケインズの主著『雇用・利子および
貨幣の一般理論』を中心として彼の経済学の概略を学ぶ。
ついで、市場が有効性を失う多くのケースが存在することを学ぶ。
授業計画
1. ケインズの生きた時代とイギリス
2. 古典派---ケインズの対決したもの
3. 『一般理論』のアウトライン
4. 現代経済と市場の失敗
5. むすび
成績評価の方法
試験とレポートによって総合的に評価する。
テキスト
伊東光晴『ケインズ』講談社学術文庫
参考書
講義のなかで紹介する。
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