授業概要
我々は様々な経済現象の中で暮らしています。経済現象の中には自分の生活と無関
係と思われるものもありますが、国境を越えての経済活動が急速に広まっているボー
ダーレス化の中では、思わざるところで関係している場合も多いのです。経済とは何
か、経済学と
はどいう事象を対象しているのか、等を理解するために、現実に起こっている経済
現象、諸問題を世界経済の中で検討していきます。世界経済の中での日本経済の位置を
確定することが主眼となります。
戦後世界経済の中で日本経済が占めてきた位置、七〇年代後半以降に世界経済の
中におけるプレゼンスの大きさが「日本問題」となった要因、バブル経済的成長と
調整過程としての平成長期不況、大競争時代の中での産業空洞化の開始、アジア経済
へのコミットメントの拡大と影響などを、現況の日本経済にそくして検討してゆくこ
とにな
ります。
内容的には若干難しい面もありますが、現前で起こっている日本経済の問題を世界
経済の中に置いて考えていこうとする講義です。
授業計画
1. 戦後世界の発展構造:概観
2. 世界の中の日本経済の位置:石油危機以前
3. 世界の中の日本経済の位置:石油危機以後
4. 九〇年代前半期世界同時不況の意味
5. 大競争時代の到来とその意味
6. 大競争時代と福祉国家の危機
7. 日本経済・産業のの空洞化
8. アジア経済危機と日本経済
9. 日本経済の諸問題:貿易・産業
10. 日本経済の諸問題:財政・金融、など
成績評価の方法
レポートおよび筆記試験にて評価します。
テキスト
現代日本経済研究会編 『日本経済の現状 1998年版』学文社(1998年)
参考書
講義中に、必要に応じて提示します。
その他
学生へのメッセージ等
2単位科目ですが、内容が盛りだくさんです。できるだけ出席して、聴講して下さ
い。新聞、ニュースなどに関心が行くようになるでしょう。
担当教官の専門分野
欧州経済論・世界経済論
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