家・共同体・近代社会(経済学E)
FAMILY, COMMUNITY, AND MODERN SOCIETY(Economics E)

担当教官: 國方 敬司(KUNIKATA Keiji)

開講学年 全学年
開講学期 前期・後期
単位数 2単位
開講形態 講義
教官の所属: 人文学部総合政策科学科
授業概要
 現在の市場社会ないしは資本主義社会を理解するために、過去の経済のあり方や社 会の構造を学ぶ。そう した過去の経済生活がどのように変化していったのか、また その結果、どのような特徴がわたしたちの社会生活に付着するようになったのかを明 らかにしていく。
 わたしたちにとっての経済生活といえば、お金によってものを売ったり買ったりする こととか、あるいは株の取引や銀行での金の貸し借りとかがまっさきに頭に浮かぶで しょう。こうした経済活動は、しかしながら、決して古くから支配的であったわけで はありません。せいぜいここ300〜400年前ごろから優勢になったものにすぎません。 それにもかかわらず、この交換社会の思考様式は、わたしたちの考えや行動を根底か ら縛りつけているために、それがもっている限界に気づくのは容易ではありません。
 この「経済」の問題点(これは環境問題としてわたしたちの生活に直接的に影響し ている)を知るためにも、一度過去にもどって旅をせざるをえないのであり、その過 去への旅の案内役をつとめますので、ふるって参加してください。

授業計画
主要なテーマ
(1)経済とはなにか
(2)共同体とはなにか
(3)「家」から「家族」への変転
(4)「市民社会」概念とその変容
(5)「経済社会」の誕生
(6)イギリスにおける工業化と「近代家族」の生誕
(7)産業革命を環境問題から読み解く
(8)現代社会における環境問題と「経済学」的思考様式

成績評価の方法
レポートによって評価する。

テキスト
岩本由輝・國方敬司編『家と共同体』(法政大学出版局、1997年)をテキストとして 使用する。ほかに、講義中にレジュメを配布する。

その他
学生へのメッセージ等
経済学は堅苦しいものではないことを知ってもらうと同時に、現在社会の問題がどの ように発生してきたのか、それはどのようにわたしたちの生活にかかわってくるのか を理解してもらうことを、授業のねらいとしたい。

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